七つのいやしの物語
里山のいやし
二宮駅から車で10分ほど北へ向かうと、素朴な「里山」の風景が広がる。人間と自然の共生の姿として、現代にその価値が注目されている「里山」。
夏には自然の蛍が舞うほどの豊かな自然環境に包まれた二宮には、訪れた者の心を浄化するピュアな空気が漂う。
海のいやし
西湘バイパス二宮ICのあたりを車で走っていると、海には多くの釣り船が見えてくる。
二宮沖は「瀬の海」と呼ばれ、アジ、サバ、イシダイなど多種多様な魚が育つ海域として知られている。地元のレストランでは、地場の魚を使ったメニューを揃え、海のある二宮ならではの贅沢を提供している。
歴史のいやし
二宮には“愛”にまつわる伝説や歴史の秘話が数々ある。ひとつは吾妻神社にまつられている弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)が、自らの命と引き換えに 夫である日本武尊(やまとたけるのみこと)を救った愛の伝説。それから相模国の二之宮「川勾神社」にある夫婦杉は、縁結びと安産の神木として古くから信仰を集めている。
大地のいやし
二宮は農産物の栽培が盛んで、落花生、たまねぎ、しいたけ、みかんが特産品だ。中でも落花生は、明治6年に二宮の先人、二見庄兵衛が横浜へでかけ、外国人から数粒の「南京豆」を譲り受け栽培を始めた。
そして、一株の「茎の立った」現在の落花生を発見し、関東一円に栽培が広まったのである。
ビューのいやし
二宮駅を降り立つと、小高い緑の山「吾妻山」が見える。
子どもの足でもらくに登れる小高い山の頂上からは、晴れた日には伊豆半島・大島まで一望できる。
中でも「関東の富士見100景」に選ばれた富士山は絶景だ。
見るものを大らかな気分にしてくれる、そんな雄大な景色が二宮にはある。
はなのいやし
二宮では、四季の移ろいを花が知らせてくれる。
新春には早咲きの菜の花が吾妻山の頂上を黄色に染める。
春は町を縦断する葛川沿いの桜が見事で、つつじ、さつき、あじさいなども町のあちこちで見ごろを迎える。秋にはコスモスの名景もある。
四季折々の花風景を愛でながらの散策が、二宮の楽しみのひとつである。
スローライフのいやし
都心からわずか1時間ちょっとで、山と海に恵まれた温暖な二宮に着く。
まさにスローライフな空間といえる二宮では、現代の人々の心を癒すいくつもの風景と出会える。
二宮で暮らす人たちは、「何もないところよ」と笑うけれど、はじめてなのになつかしい魅力を秘めた町である。